対岸の彼女

 

角田光代さんの対岸の彼女を読みました。

読み進めていると、葵の学生時代の話では葵のに感情移入してて、小夜子と葵の間柄だと初めは小夜子に感情移入していた。

しかし読み終わる頃には、私は葵に惹かれていた。

 

葵とナナコがタクシーの中で手を握るところの描写が心に残った。

 

手をつないだまま、それぞれの窓に顔を向け、葵とナナコは流れ続ける町をじっと眺める。夏の制服を着た自分たちが、窓の外に見えるような気がした。笑い転げ、たがいをこづきあい、顔を近づけて熱心に話す2人の高校生が。はせがわのケーキセット。元日の空。ふくふく亭のお好み焼き。ビリージョエル。湖池屋のポテトチップス。夏の午後3時、風がぴたりと止んだ瞬間。まるでこの世界を好きなものだけで埋め尽くすように、彼女たちは脈がらなく気に入ったものを言い合っている。

 

 

私の高校時代なら、ヤマザワのラベンダーソフトクリーム。スターバックスから見下ろす席。当時好きだった人からのメールのやり取り。

 

どこかにいきたい、けれども自分ではどこへも行けない。今の仕事も生活も投げ打ってでも新しいことがしたい。でも怖い。

そんな時隣にいてくれたら何も怖くないのかもしれないと思った。

 

新しいことを始めるのは年々億劫になる。

変わらない生活、変わらない仕事、変わりたい私、変われない私。

 

最近の変化といえば本を読むようになったこと、初めてネイルをしたこと、メイクするときにビューラーを使うのをやめたこと。

 

そして町の本屋で買った本に挟まってたしおりを大事に使っていること。古本屋で買った本だからきっと前の持ち主のものだろう。

 

対岸の彼女の私、今の私と高校生の私。少しずつ変化しているのだろうか。。。