対岸の彼女
読み進めていると、葵の学生時代の話では葵のに感情移入してて、小夜子と葵の間柄だと初めは小夜子に感情移入していた。
しかし読み終わる頃には、私は葵に惹かれていた。
葵とナナコがタクシーの中で手を握るところの描写が心に残った。
手をつないだまま、それぞれの窓に顔を向け、葵とナナコは流れ続ける町をじっと眺める。夏の制服を着た自分たちが、窓の外に見えるような気がした。笑い転げ、たがいをこづきあい、顔を近づけて熱心に話す2人の高校生が。はせがわのケーキセット。元日の空。ふくふく亭のお好み焼き。ビリージョエル。湖池屋のポテトチップス。夏の午後3時、風がぴたりと止んだ瞬間。まるでこの世界を好きなものだけで埋め尽くすように、彼女たちは脈がらなく気に入ったものを言い合っている。
私の高校時代なら、ヤマザワのラベンダーソフトクリーム。スターバックスから見下ろす席。当時好きだった人からのメールのやり取り。
どこかにいきたい、けれども自分ではどこへも行けない。今の仕事も生活も投げ打ってでも新しいことがしたい。でも怖い。
そんな時隣にいてくれたら何も怖くないのかもしれないと思った。
新しいことを始めるのは年々億劫になる。
変わらない生活、変わらない仕事、変わりたい私、変われない私。
最近の変化といえば本を読むようになったこと、初めてネイルをしたこと、メイクするときにビューラーを使うのをやめたこと。
そして町の本屋で買った本に挟まってたしおりを大事に使っていること。古本屋で買った本だからきっと前の持ち主のものだろう。
対岸の彼女の私、今の私と高校生の私。少しずつ変化しているのだろうか。。。
顔で笑って心で泣いて
人生は私が思い描いていたようにはいかないものだ、とこの歳になってひしひしと感じる。
今年の夏と秋の合間に、祖母を亡くした。いつか人は亡くなるものだが、こんなにも早く別れがくるなんて思ってもいなかった。し、入院した時も元気になってまた一緒にいられると願っていた。私は祖母にひ孫の顔を見せられるものだと当たり前のように思っていた。
人生は思い通りにはいかないし、同居人は私とは、結婚できない。都合の悪い、納得のいかないラインも、間抜けな顔したスタンプが賑やかしに踊ってくれる。結婚指輪がいちばん素敵なアクセサリーだと思う。金属アレルギーだけど。
別れの言葉
おばあちゃん、いつもありがとう。
いつかはこの日が来るとは
わかっていたけれども
あまりに急すぎてまだ実感がわきません。
おばあちゃんはわたしにとって母親のような存在でした。たくさんの時間を過ごす中で、美味しいものを食べたり、私が遠くで暮らすことを決めた時も、心配しながらも応援してくれたことが嬉しかったです。
入院してからは、朝と夜毎日電話をしました。お互い特に話すことはなかったけれど、毎日声を聞けるのが嬉しかったです。
長い間ご苦労様でした。
安らかにお休みください。
マリッジサマー
仕事場に向かう朝、学生服を着た中学生ぐらいの男の子が駅の坂道をスキップしてた。
きっと夏休みに浮かれてる。可愛らしくてしょうがない。私だって夏休みに浮かれたい。
わたしは夏がそんなに好きじゃない。けれども夏らしいことはもう既にたくさんした。
例えば、プールには2回入ったし、アイスボックスを三ツ矢サイダーで割って食べた。
冷麦も食べたし花火も見た。
浴衣を着る予定だってこれからある。
天邪鬼な私は、平成最後の夏と謳う人がうるさくてしょうがない。だからなんだよといつも思う。
ここまでだいぶ前に書いてて、今日はてなブログからメールが来てて、書きかけだったことを思い出した。
正直日記は好きな時に書くし、タイミングってもんがあるんだよ。と思いながら書きに来ちゃってる私も大概だ。
最近、店長の爪が、薄紫にキラキラしてた。私もキラキラにしたいと思った。店を巡ってシロップネイル?とやらを揃えた。初めて緑の透明を買った。なんだかんだ緑好きなんだな〜と最近実感。黄緑でもない緑でもない深い深〜い緑。差し色にもなるからいいよね。服では取り入れようとはなかなか思えないけれど。。
夏はみんな浮かれてていいねって話です。
私と小鳥と鈴なら私は私がいい。
昨日は古着屋街をブラブラしていた。
「夢の中で」を聴きながら、もう音楽にノリながらスカしてた。
その時突然わたしの右足首に激痛アンド足が動かない。
何だ?!?!という驚きとスカしてたことへの恥ずかしさに足元を見ると、輪っかが落ちていた。わたしは鶴の恩返しなら、お爺さんが助けてくれるであろうシーンにも関わらず、近くにはお爺さんもおらず、私の足はするりと抜けたので、ヒョイっと蹴ってやった。
多分私が鳥だったら注意散漫で罠にかかるか、柱にぶつかる。だって音楽聴いててスカして歩く人は、鳥になったら飛んでるんだぜ〜的なことを考えて青い空と心地よい風の条件下なら目つぶって空飛んじゃうよね。
帰りは誰が引っかかるか!!!と心中で舌を出した。もちろん顔はスカしてる。とことんダサい。
タイトルは全然関係ないんですけど、金子みすゞさんの詩から来ておりますが、小学生の時は断然鳥が良かった。だって空飛びたいもんね。それだけなんです。
今は都会の迷路に向かっております。。。
さて合流できるのか。。
少し心の中で残業だったし遅くなるから今日は欠席で!と文言を考えていた。。それはここだけの話。。。
さくらんぼと梅雨の匂い
さくらんぼが届いた。
美容院がえりの私は、近所のコーギーに挨拶をして、玄関前に待ち伏せていた黒猫に待ってなと言い残して家に入った。
家に入れば回しっぱなしの洗濯物の柔軟剤の匂いと、梅雨時のワンルームの匂いがした。
そんなときに、さくらんぼが届いた。
さくらんぼは私が一人暮らしを始めてから毎年届く。箱を開けたとき、私は初めてさくらんぼの艶が羨ましいと思った。この時点で私はもう四年前より着実に歳をとったし、良い意味では自分の肌をよく見るようになった。そう無頓着ではなくなった!というプラスだ。
一粒のさくらんぼを、口に含めばそれはもう甘かった。冷えていないさくらんぼは甘ったるいぐらいに甘い。部屋の中にギャル系のお姉さんが入ってきて立ち去っても、まだ香水の匂いが強く残る感じだ。何言ってんだ。
梅雨の時期は洗濯物もワンルームの中に押し込まれ、匂いは柔軟剤の匂いと湿気の匂いで最悪だ。むしろ匂いというより臭いである。
そんな梅雨空の灰色の部屋のキッチンのシンクの上で見たさくはんぼは、光り輝いていた。
さくらんぼを食べ終わるごろには、茹だるような暑さがやって来る。私は夏がそんなに好きではない。夏で好きなことは、実家でBBQすることと、泳ぐことと、少し気持ちがギャルになるところ。嫌いなところは、満員電車で体がぶつかるところと、日焼けを気にしちゃうところ。
私の日記は、その時の気分で文体が違う。威勢が良く勢いがあるとか、ポエマーになってる時、なにかとエモさを醸し出す時、、、、。
書く場所は電車かレトロな休憩所。
5号車より愛を込めて